「行田エリア」の観光をしたい場合、どこへ行けばいいか悩む方も多いかもしれません。そんな方はには埼玉の名前の発祥の地である「さきたま古墳群」は、いかがでしょうか?
どんな魅力があるスポットか以下で案内しますので、訪問の参考にしてみて下さい。

目次
さきたま古墳群 概要
「さきたま古墳群(埼玉古墳群)」は、埼玉県行田市にある日本有数の大型古墳群です。5世紀後半~7世紀にかけて築造され、東西約600m、南北約900mのなかに、9基の大型古墳が密集。
さきたま古墳群は埼玉県名の発祥地であり、古墳時代の当時の社会・文化を知るうえで極めて重要な遺跡です。園内の散策を自由にでき、博物館も園内にあるため展示も見ることができる場で有名です。

さきたま古墳群の基本情報
営業時間:24時間立ち入り可能
定休日:なし
入園料:無料
駐車場:あり
秩父鉄道の行田市駅から徒歩40分・JR吹上駅から徒歩50分ほどの場所に位置しています。徒歩だと距離があるため、駅からのバスなど利用を検討してみて下さい。
有力者の墓である古墳
さきたま古墳群を訪問するにも、そもそも古墳とは何か?あまり詳しくない方もいらっしゃると思います。(古墳についてご存じの方はこの章は読み飛ばして問題ないです。)
古墳は主に3世紀後半~7世紀に各地で築造された、土を高く盛って造られた有力者の墓です。
形状は様々で皆さんも歴史の授業で聞いたことがあるかもしれませんが、円墳・方墳・前方後円墳・前方後方墳などが存在しています。
盛土や人工の丘を持ち、内部には遺体を納める埋葬施設とそばに鏡・刀などを添えることが多いです。古墳という名前から「古墳時代」という時代があるほど象徴的なもので、社会や歴史文化を知ることができます。
・内部に埋葬施設などをつくり、道具を添えることもある。
・日本の歴史や社会構造を知るうえで大変重要な遺跡。
9基の古墳群
二子山古墳~さきたま古墳群最大の古墳
「二子山古墳(ふたごやまこふん)」は、さきたま古墳群で最大の古墳で埼玉県内で最大規模を誇ります。
バリケードが古墳の周囲にされているため、中までは行くことが出来ず登れないのは残念です。ぜすが周囲から見学すれば古墳の大きさを再確認できますし、その規模を間近で体感できます。
側面から見ると二つの山のように見えることから「二子山」の名が付けられました。令和2年に国指定特別史跡にされ、現在は世界遺産登録を目指しています。
丸墓山古墳~日本最大級の円墳

「丸墓山古墳(まるはかやまこふん)」は、日本最大級の円墳(まるい形の古墳)で有名です。ここからは丘の表面を覆う葺石や円筒の埴輪・人型の埴輪が出土しています。
嬉しいことに登ることができる古墳で、頂上からはさきたま古墳群や周りの景色を見ることが出来るでしょう。
稲荷山古墳~古墳群で最古

「稲荷山古墳(いなりやまこふん)」は5世紀後半に築造されたと考えらる前方後円墳です。さきたま古墳群の中で最も古く、全長120メートル、高さ約10~12メートルの規模があります。
多くの国宝が出土する歴史的に大変貴重な古墳で、古墳には実際に登ることが可能です。
将軍山古墳~内部に小規模の展示館

「将軍山古墳」は、横穴式石室が発見され多数の副葬品が出土した前方後円墳です。
古墳自体登れはしませんが古墳内部に「将軍山古墳展示館」があり展示を見ることができます。ただし展示物は非常に少なく5分もあれば見終わるほどです。
営業時間:午前9時~午後4時30分(受付は午後4時まで)
※7月1日~8月31日は午前9時~午後5時(入館受付は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日、振替休日、埼玉県民の日を除く)/12月29日~1月3日
入館料:一般200円/高校生・学生100円/小・中学生:無料
※ここで先に入館料を払えば、さきたま史跡の博物館も見学できます。
愛宕山古墳~古墳群最小の前方後円墳
「愛宕山古墳(あたごやまこふん)」は、古墳墳群の中で最も小さい前方後円墳です。
愛宕神社がまつられていたことから、この名が付けられています。堀の調査で円筒埴輪、馬などの埴輪など様々な埴輪が出土し、埴輪は古墳の規模に比例して小型です。
瓦塚古墳~中型の古墳
「瓦塚古墳(かわらづかこふん)」は、古墳群の中では中型の前方後円墳です。明治初期に付近に瓦(かわら)職人が住んでいたことが古墳名になっています。
この古墳でも多様な埴輪が出土していおり、当時の貴重な資料となっている重要な古墳です。
鉄砲山古墳~古墳群で3番目の大きさ
「鉄砲山古墳」は古墳群で3番目に大きい古墳で、大型前方後円墳の一つです。後円部南側のくびれ部付近に南に開口する横穴式石室があります。
「鉄砲山」という名の通り、忍の砲術演習場が設けられ、一部が訓練のため改変されました。そのためか発掘調査では銃砲弾などが見つかっています。
奥の山古墳~他の古墳と密接
「奥の山古墳」は前方後円墳で、堀の一部は隣接する鉄砲山古墳と重なっているのが特徴です。多くの須恵器や埴輪が出土しています。
中の山古墳~最後に築かれた古墳
「中の山古墳」は前方後円墳で、古墳群で最後に築かれた古墳で有名です。「須恵質埴輪壺(すえしつはにわつぼ)」と呼ばれる、須恵器の技術で焼かれた壺が出土しています。
さきたま史跡の博物館~出土品などを見学可能
さきたま史跡の博物館は園内にある歴史博物館で、さきたま古墳群の保存・整備・活用を目的とし、埼玉の考古資料の展示などを行っています。
国宝や貴重な出土品も見学でき、体験プログラムも充実していて子どもから大人まで楽しめるでしょう。
営業時間などは将軍山古墳の章での将軍山古墳展示館と一緒ですが念のため再度載せておきます。
営業時間:午前9時~午後4時30分(受付は午後4時まで)
※7月1日~8月31日は午前9時~午後5時(入館受付は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日、振替休日、埼玉県民の日を除く)/12月29日~1月3日
入館料:一般200円/高校生・学生100円/小・中学生:無料
※ここで先に入館料を払えば、将軍山古墳展示館も見学可能です。
4か国語(日本語・英語・中国語・韓国語)対応のため、海外の方も展示を楽しめます。
古墳だけでなく、古墳時代の歴史や考古学に興味がある方はぜひ博物館も見学してみましょう。
世界遺産登録を目指して
さきたま古墳群は2020年に国の特別史跡に指定され、埼玉県内としてもで初の特別史跡となりました。
ですが特別史跡だけにとどまらず、現在は世界遺産登録を目指しており、埼玉県や行田市を中心に整備中。世界遺産への登録は2025年5月時点では残念ながら実現していませんが、今後の動向が注目されています。
それ以外にも2017年に「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」の構成文化財のひとつとして「日本遺産」にも認定されています。
さきたま古墳群はこんな人におすすめ
さきたま古墳群はこんな人は楽しめないかも・・・
古墳そのものや博物館では出土品の展示が中心です。
歴史的背景や文化財のを理解・楽しむことが難しい場合、物足りなさを感じるかもしれません。
古墳群は約30ヘクタールの広大な公園内に点在しており、全体を見学する場合は長い距離を歩きます。
足腰が悪かったり、体力的に負担を感じる人は回るだけで辛くなり、楽しみにくいかもしれません。
まとめ
古墳群は現時点でも観光客は集まっていますが、東京の主要スポットのような盛況ぶりとは程遠いのが現状です。
その中でも世界遺産登録を目指すなど向上心があり、もっと古墳群の知名度を高めるのに尽力しているのは、埼玉県民として感銘を受けます。皆様もぜひ古墳群を見学して、歴史を感じ体感してみて下さい。
行田エリアでは他にも「古代蓮の里」や「忍城」などのスポットがありますので、併せて訪問するとより満足できるでしょう。




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